OCスプレー

日本では、催涙スプレーと呼びますが英語だとOCスプレーと呼びます(アメリカでは、MACE[メース]という会社のスプレーがとても有名で、メース社製でないものでも、OCスプレ―の総称としてメースと呼ぶ人もいます。メースは当初OCではなくCNガスを使用していましたが、CNガスは麻薬やアルコールの中毒者には効果がないうえにCNガス自体に有毒性があるため、いつごろからかOCに切りかわっていました)。OCは、主成分であるオレオレジン・カプシカム(Oleoresin Capsicum)の頭文字をとったものです。オレオレジン・カプシカムなんて難しく言っていますが、簡単に言えば唐辛子の辛み成分を使っているということです。つまり植物性の成分で人体への害が少ないので、従来のCNガスに比べて安心して使うことが出来ます。

OCスプレーには、4つのタイプに分類が出来ます。4つのタイプは;(1)フォガー、(2)ストリーム、(3)ジェル、(4)フォームです。

フォガーは、その名のとおりOCが霧状に噴射されるものです。こちらのタイプのスプレーは、風向きなどを考慮せずに噴射してしまうと、自らOCをかぶる可能性もあるため、使用には細心の注意が必要になります。デモなどで大量の相手に使用する際には他のタイプよりも効果が見込めます。

ストリームは、ニードル状にビュっと相手めがけて一直線にOCが噴射されるものです。勢いよく発射されるストリームタイプはフォガータイプよりも射程距離が長く、風から受ける影響も少ないです。私が国連本部の警備の際に携帯していたOCスプレーはこのタイプのものでした。

ジェルフォーム(泡状)は、屋内などの換気が十分に取れない場所で強みを発揮します。フォガーやストリームを室内で使用した場合、かなり高い確率で使用者にも何らかの影響があります(私も昔、間違ってトイレでスプレーを噴射させてしまい、OCを吸い込んで苦しんだ経験があります)。しかし、OCは麻薬でキマっている人には、その効果が見られないことがあり、そういった相手にジェルやフォームを使用してしまうと、投げ返されるというリスクもあります。

使用者は、状況に応じてベストなタイプのOCスプレーを選ぶ必要があります。子供や女性が防犯/護身目的で携帯するのであれば、おそらく使用は屋外の時が多いことからストリームタイプを選ぶと良いでしょう。

OCスプレーの使用方法は難しくはありませんが、その効果を最大に引き出すには練習が必要になります。子供や女性が防犯/護身で携帯するのなら、ストリームタイプが良いと書きましたが、ストリームタイプのOCスプレーを近距離で相手の目に向かって噴射させてしまうと失明させてしまう可能性もあります。

ストリームタイプのOCスプレーは、2mほど離れた距離から相手の眉あたりを狙い噴射します。眉あたりにかけたOCは、すぐに垂れて目に入ります。OCスプレーにより相手がひるんだ隙に出来るだけ遠くへ逃げるか、助けを呼ぶなどしてください。間違っても相手に攻撃を加えてやろうなんて思わないでください。OCは、目にさえ入れば100%効くというものではありません。アメリカの軍やLEでは、OCスプレーをくらってから攻撃を止めずに敵に向かう訓練も積んでいます。日本では、そういった訓練を積んだ人は多くないと思いますが、OCスプレーをかけられたことで激情し、アドレナリンでOCの効果が鈍ることも考えられます。

海外で警備(警護)をすることになれば、装備の1点としてOCスプレーを携帯する可能性が高いです。このフィールドの人間がOCスプレーを使用する場合には、防犯/護身目的で携帯する一般人とは異なり使用後の対応もしっかり理解していないといけません。そのためには、自らOCスプレーを1度は受けてみる必要があると私は信じています。実際に受けてみないと、本当の痛みは理解できません。

OCスプレーを使用する際には、(海外では)噴射と同時に「OC, OC!」とサウンドオフ(かけ声)をします。これは周りにいるチームメイト、もしくは人が多くいる場所であれば通行人にOCスプレーを使用したことを伝え2次被害を最小に抑えるのが目的です。

OCスプレーを受けた人は、すぐに流水で目を洗います。その後は、とにかく目を開け続け乾かすことが痛みを早く和らげるコツです。OCスプレーの液には脂分が多く混じっているので、洗っても簡単に全てを綺麗に洗い流すことは難しいです。また、まばたきをすることで脂分を含んだ液が目蓋内に伸びてしまい、痛みはいつまでたっても取れません。不格好ですが、まばたきをしないように手で目を無理やり広げ続けて乾かすと、比較的早く痛みを軽減することができます。

OCスプレーは植物性の液体なので人体に害が少ないとはいえ、使用方法によっては思いがけない事故につながる可能性も含んでいます。この記事は、OCスプレーの携帯や使用を推奨するものではありません。大人たちが皆でOCスプレーを持ち歩く必要ない安心、安全な街づくりをすることがとても重要です。私、福谷潤は、CPTED(Crime Prevention Through Environmental Design)にも精通しており、安全な街づくりのアドバイス、防犯対策なども承っております。


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