「Safe Haven(セイフ・ヘイヴン)」とは、アメリカの警護業界で仕事をする人なら誰でも知っている言葉です。Safeは「安全」、そしてHavenは「避難所」という意味の単語です。つまり「Safe Haven」は、安全な避難場所ということです。
警護での「セイフ・ヘイヴン」(「Hard Room(ハードルーム)」や「Safe Room(セーフルーム)」とも言うこともある)は、緊急の際に警護対象者(以下、「V」という)を一時的にかくまうスペースのことです。
ボディガードは、Vのスケジュールを事前に入手して、アドバンスチームを調査に行かせます(アドバンスチームが、どのようなことを事前に調べないといけないかは、またの機会に紹介します)。
ボディガードは、常に最悪の状況も想像して、その対応策も事前に考えておかなければなりません。「○○で襲われた時は、○○に逃がす/(救援が来るまで)待機する」などがそうです。
詳細は書けませんが国連本部内には、国連事務総長用にいくつかのセイフ・ヘイヴンが用意されていました。そのセイフ・ヘイヴンは、多少の銃撃では破ることは不可能な防弾仕様のドアで、外からロックを解除することも出来ないようになっていました。万が一、そのセイフ・ヘイヴンの中に長時間いることになっても、生き延びれるようにライフラインの綺麗な水へのアクセスも確保されており、有毒ガスなどの攻撃対策でセイフ・ヘイヴンだけは空調も他とは別になっていました。しかし、こんなセイフヘイヴンがある建物はなかなかありません。
では、一般の建物や公共の場でセイフ・ヘイヴンになりえる場所はどこでしょうか?
どこに行っても必ずあって、水へのアクセスもあり、壁もタイトルなど他より硬い素材が使われていることが多いトイレは、その有力候補です。
何度も書いていますが、警護ではVの安心、安全が護れれば、それが最善策です。トイレをセイフ・ヘイヴンに選ばないといけないわけではありません。
いろいろな国で先着警護の任務もしてきた私は、初めての建物に行くと壁をコンコンと叩いてしまう癖があります。これは、叩いた音で、壁の中の構造を知るための行動です。立派に見える部屋でも、壁を叩くて(壁の中が空洞になっていて)軽い音がするような部屋はセイフ・ヘイヴンに選ぶことは出来ません。
警護人は、建築家ではないので、建物の構造に精通する必要はありませんが、どこにどんな壁が使われているぐらいは知っておくべきです。
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