ヒックの法則(ボディガードの装備に対する考え方)

ヒックの法則」は、1951年に実験心理学やエルゴノミクスの先駆者として有名なイギリスの心理学者ウィリアム E. ヒック博士によって提唱された法則で、のちにアメリカの心理学者レイ・ハイマン博士によって更に発展、「ヒック・ハイマンの法則」とも呼ばれています。

この法則で、ヒック博士とハイマン博士は「人は選択肢が多いほど迷う」と唱えています。10個の選択肢の中から1つ選ぶのと、5つの選択肢から1つを選ぶのでは、当然ながら選択肢が少ない5つの中から選ぶ方が早く意思決定が可能です。このヒック・ハイマンの法則は、ボディガードの装備選びにも同じことが言えます。

新人ボディガード(PPO)にありがちなのですが、色々持っておけば安心だと持てるだけの装備品を身につけている人をたまにみかけます。しかし、ベテランになればなるほど、本当に必要な装備品のみを身に着けています。国連本部警備隊を例にしてみます。制服での勤務(警備)の際には、拳銃、予備のマガジンの他にもOCスプレー、PR-24(特殊警棒)、手錠、ナイフなどいろいろな装備品を身に着けていますが、警護の任務の際には拳銃、予備マガジンとナイフぐらいでOCスプレー、PR-24、手錠などは装備していません。それはボディガードが緊急時の対応に使える時間は僅か2秒だと言われており、瞬時の判断するために選択肢は少ない方が好ましいからです。

どのような装備をどのぐらい持つかは任務によって異なります。任務を理解して、何が本当に必要なのかを理解することがボディガードにとってとても重要です。


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