ボディガードのドレスコード3(靴)

本日のトピックは、ボディガードの靴についてです。業務上、長時間立っていることもあれば、突然走り出すこともあるボディガードの靴にはそれなりのタフさが要求されます。

靴選びについてもスーツやスマートカジュアルの時と同様に、「最適な靴」は状況によって異なるので特定な靴はありません。どんな靴を選んでも間違いではありませんが、経験上のアドバイスをしたいと思います。

スーツでの任務の際の靴は、もちろん革靴です。ときどき茶系の革靴を好んではいているボディガードがいますが、もし茶系を選ぶなら濃い目の茶系にするべきです。明るい茶系は、やはり目立ちますし、場合によっては不適切なこともあります。やはり色は無難に黒を選ぶべきだと思います。ソールは、レザーかラバーの2種ありますが、走ったりする際にトラクションに優れるラバーがボディガードの靴としてはレザーよりも適しています。国連の警護チームでは、上記に理由からレザーソールの革靴は禁止されていました。最近は、運動靴と同等の機能を持つソールを備えた革靴も多く販売されています。アメリカでは、クラークス(Clarks)やエコー(ECCO)が人気でしたが、私はミズノのLD40シリーズ、アシックスのRUNWALKシリーズ、そしてアシックス商事のテクシーリュックスブランドの靴をオススメします。これらの靴はどれも運靴靴なみの機能を持つスーパーシューズで、アメリカ在住のころは帰国する度に何足か買ってまで愛用していました(※アメリカでは売っていませんでした)。ローファーに代表される靴ひもを結ぶ必要がないスリッポンタイプの革靴を選ぶボディガードは常識的にいないとは思いますが、万が一の時に脱げるリスクが高いためにNGです。ただ、室内に入る際に靴を脱がないといけない日本では、先着隊がスリッポンタイプの革靴をはくことは便宜的にも警護的にもOKだと思います。

スマートカジュアルで任務をする際は、スーツの時と同じ革靴をはくも良しですし、もう少しカジュアルな靴を選んでも大丈夫です。しかし、カジュアルとはいえ、選ぶ条件は革靴の時と同じで;(1)靴ひもがあって(すぐに脱げない)、(2)トラクション性能やクッション性が高いラバーソールの靴を選ぶべきです。

ハイリスクの任務の際は、「タクティカル」と呼ばれる主に511(ファイブイレブン)製の服を着て、ミリタリーブーツやトレッキングシューズをはくことが多いです。アメリカ人は、メレル(Merrel)社製のタクティカルブーツ/トレッキングシューズを好んではく人が多いです。メレル社製のブーツも良いんですが、私はホカオネオネ(Hoka One One)のブーツをオススメしたいです。ホカオネオネは、極厚ソールで有名な靴ブランドなのですが、この極厚なソールが射撃の際にすごく役に立つんです。移動しながら射撃をする際、命中精度をどれだけ落とさないかは頭の上下運動が影響しています。ホカオネオネの極厚ソールは、その驚くほどのクッション性で頭の上下運動を減らし安定した射撃精度を生み出してくれます。 射撃をせずとも、ホカオネオネの極厚のソールは、思い装備を付けた状態で長時間立っていないといけない場面でも絶対にプラスになります。

ホカオネオネのブーツ

ホカオネオネのブーツの多くは防水性能がなかったり、あってもイマイチな物が多いので雨の日やぬかるんだ場所の場合には、ドイツのハイクス(Haix)社のブーツがオススメです。 日本人に似て勤勉な国民性のドイツの会社だけに、とても丁寧に作られていて、とてもタフです。消防の靴なども作る会社なので、防水機能も最高です。

ハイクスのブーツ

ホカオネオネやハイクスのブーツが手に入りにくい場合には、メイドインジャパンのトレッキングシューズ、登山靴の老舗ブランド「キャラバン」の靴をオススメします。なんでも追及して最高の商品を作り上げる日本人が、「軽くて、履きやすくて、歩きやすい」を追求しているんですが間違いがありません。

キャラバンのトレッキングシューズ

いろいろ書きましたが、靴選びは服選びよりも重要だと私は思っています。全体重を支える足にはくものですから、靴だけはケチらず良いものを選ぶべきです。ブランドにこだわらず、とにかく自分の足に合う靴を出来るだけ早い段階で見つけることがボディガードを長く続ける秘訣です。


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