先着警護の重要性

本日のトピックは英語だと「アドバンス」、日本語でなれ「先着警護」とか「先遣」と呼ばれている任務についてです。

ソロワーク(エスコート)の場合には、アドバンスエージェントは当然ながらいません。それでも可能であれば、前日や当日の朝、仕事が始まる前に一度その日訪れる場所の下見をしておくべきです。実際、私が国連本部の警護班にいたころもソロワークをすることがあり、その際にはクライアントの1日が始まる前に、その日訪れる場所の下見を出来る限りしていました。あるときクライアントのスケジュールを確認すると、その夜にブロードウェイのミュージカルを鑑賞しに行く予定が入っていました。その日のクライアントのスケジュールは幸い始まりが遅かったため、午前中にブロードウェイのシアターに下見へ行きました。ニューヨークのブロードウェイに行ったことがある人なら分かると思いますが、通常マチネ公演がない場合、ブロードウェイのシアターでは午後3時過ぎにならないと関係者がシアターには来ないのです。そのことは分かっていましたが、現地に直接行ったことでシアターにたまたまメインテナンスに来ていた業者の人に会うことが出来、そこからシアターの責任者の連絡者を入手、その夜もアドバンスエージェントがいないにも関わらず、シアターの中にクライアントと一緒に入り席までエスコートをすることが出来ました。

2人以上での任務なら、2人でクライアントについて回るより、1人をアドバンスにする方が良いでしょう。それだけアドバンスはボディガード業務において重要です。アドバンスがいるのといないのでは、天と地ほどの差があります。

アドバンスは、クライアントが来る最低でも1時間前には現地にいるようにするのが理想です。そしてその任務は、クライアントが前の現場を出発した時点から始まり、クライアントが当現場を離れるまでとなります。しかし、チームの人数により、クライアントが去る前にアドバンスがその場を離脱して次の現場のアドバンスに行かないといけないこともあります。その際には、離脱する前にクライアントと常に行動を共にするPersonal Protective Officer (PPO)に全ての情報を確実に伝える義務があります。

Patrick McNamara著「SENTINEL -Become the Agent in Charge of Your Own Protection Detail-」にアドバンスの任務について分かりやすくリストアップされていたので、明日はそちらをご紹介したいと思います。

※トップの写真は、フィジーの首都スバでアドバンスをした際、到着歓迎式の予行練習を写真に撮ったものです。


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