海外出張の際の荷物は、移動時の紛失のリスクなどを考え、十分過ぎるぐらいで丁度よいと書きました。しかし、これは、警護官として海外出張をしている場合です。警護としての役割も多少求められるものの、どちらかというとセキュリティリエゾンとしての役割の方が強く、1人で全てをこなさなければならないエスコートとして海外出張に行く場合の荷物は少し状況が異なります。警護の場合には、入国審査や荷物の担当として誰かを空港に残すことが出来ますので多少荷物が多くても問題になりません。しかし、エスコートの場合は1人しかいないため、エスコートの預け荷物がなかなか出てこなければ、クライアントにも空港で一緒に待ってもらうか、先に行ってもらうなどの対応が必要になってきます。
短気で待たされることをとても嫌うVIPのエスコートについたことがあります。そのVIPは、海外出張の際でも手荷物のみで荷物を預けることを極端に嫌う人でした。そして、エスコートを含む随行者にも同じように手荷物のみで出張に出かけることを望む人でもありました。
エスコートもボディガードと同様に「絶対にこうしないといけない」といった決まりはありません。クライアントに合わせ、臨機応変に最善な手段を選びます。
ちなみに、前述のVIPとの海外出張の際は、預け荷物はせずに、機内持ち込みの手荷物としてスーツとワイシャツを複数枚入れたガーメントバックと大きめなバックパックで出張に出かけていました。愛用していたガーメントバックは、専用のハンガーなどなくクリーニング店の針金のハンガーなどもそのまま使えるWallyBags社製のものがとても便利でオススメです。
他には、突然の日程変更で日数が延長されても綺麗なスーツが着られるように、シワになりにくく、洗濯機でも普通に洗え、速乾性もあるユニクロの感動スーツを予備用としてガーメントバッグに入れていました。私の現役時代には、あまり選択肢がありませんでしたが、今だとユニクロの他にもワークマンなども似たようなスーツを販売しているので、出張が多いクライアントにつくエスコートやボディガードは、こういったスーツを1セット持っておくと、とても役に立ちます。
出張の際に何が必要で、何が必要ないか、最初は悩むかもしれません。しかし、出張を何度も経験していけば次第に無駄のない荷物選び、任務やVの性格等に合わせた荷造りが出来るようになりますので、慣れるまでは、同僚や先輩の持ち物やを参考にしたり、私の経験談を思い出したりしていただければと思います。
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