American Society of Industrial Security International (ASIS International)が、セキュリティ・プロフェッショナルのバイブルとして出版するProtection of Assets (POA) -Security Management- で「クライアントが襲われた際のボディガードの行動連鎖」についてとてもシンプルで分かりやすく説明しているのでご紹介したいと思います。
- Arm’s reach (immobilize attacker if within arm’s reach, otherwise cover the principal),
- Sound Off (shout the weapon displayed and the direction, in relation to the principal, from which it is coming),
- Cover,
- Evacuate
Arm’s reach (immobilize attacker if within arm’s reach, otherwise cover the principal) ; 襲撃者がすぐ近くにいる場合には襲撃者の制圧、そうでない場合はクライアントを護ります。襲撃者が多数の場合には、制圧は二の次でとにかく警護チーム一丸となって一刻も早くクライアントを安全な場所に避難させることに集中します。
Sound Off (shout the weapon displayed and the direction, in relation to the principal, from which it is coming);日本の警護業ではあまりするところを見かけないのですが、アメリカの警護業界では一般的なサウンドオフは基本です。チーム一丸となりクライアントを避難させるために、襲撃者を一番早く見つけたボディガードは、仲間に襲撃者の存在を知らせる必要があります。たとえば、「ナイフ、フロント!」だったり、「ガン、レフト!」といった感じに仲間に襲撃者の武器とどこから襲ってきているのかを大きな声で伝えます。ちなみに方向はクライアントから見た方向です。襲撃者がどんな武器を持っているのかを伝えるのは、それにより対応が異なるからです。10m先の襲撃者、ナイフであればこちらは銃を抜く必要はありませんが、同じ10mでも襲撃者の武器が銃であればこちらも銃を抜いて応じないといけません。
Cover;ボディガードにとってクライアントの安全がなにより大事です。ボディガードは、常に襲撃者とクライアントの間にポジションを取り、クライアントが襲撃者から攻撃されるのを防ぎます。クライアントを前に抱えながら走るのは、思っているよりもずっと困難です。そのため、ボディガードは日頃から色々な背格好の人を相手に訓練をしておく必要があります。
Evacuate; そしてクライアントを安全なところまで避難させます。
以上が、クライアントが襲われた際のボディガードの行動連鎖となります。常識的なことばかりで「なんだ、そんなことか」と思われた方もいるかもしれません。しかし、突然の襲われると、訓練を積んでいない人はパニックになってしまい普通のことが出来なくなってしまいがちです。緊急時でも普通のことを普通にこなせるのがプロのボディガードです。弊社のCCPS/CCPSWでは、この行動連鎖を緊急時にでもスムーズに出来るように指導致します。
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