日本でもクレジットカードや電子マネーが十分に浸透した感があり、以前に比べて財布の中の現金がかなり減ったという人も多いと思います。しかし、残念ながら同じアジアでも中国や韓国、そして欧米に比べるとまだまだ支払いは現金のみ、もしくはクレジットカードの利用は最低○○円からなんてルールを設けている店が残っており、現金0という人はあまりいないはずです。ボディガードにとって、財布の中に常時多少の現金を入れておくようにする習慣は悪いことではありません。
私が20年以上住んだアメリカは、ガム1つを買うのにすらクレジットカードを使う人がいるような国です。なので、現金なんて必要ない、持ち歩かないという人もかなりいます。
普通に生活をしている分には、それでも良いのかもしれませんが、ボディガードとなると状況は異なり、現金を持っていないと困るときが結構あります。
欧米では、どこに行ってもサービスを受ければチップを払います。レストランなどでは、チップもクレジットカードで支払いを済ますことが出来ますが、空港やホテルでポーターなどのサービスに対してクレジットカードでチップ払う人はこれまで私は見たことがありません。チップは強制ではありませんので、初めてであれば現金を持ち合わせていないことを説明すればどうにかなることもあるかと思います。人間は、人にされたことは忘れないものです。相手は○○のボディガードは助けたのにチップすら払ってくれなかったとずっと記憶に残ります。2回目も同じサービスを受けられる補償はありません。ボディガードは、どんな職業に対しても、そのサービスに感謝を示し、サービスを受けた際は相応の対価を支払うべきだと私は思っています。そう考えると現金もボディガードの重要な装備の1つだと言えます。海外へ行く際は、いちいち現地の現金を用意するのは大変です。しかし、残念ながら日本円は、どこの国でもすぐに換金できる通貨ではありません。もし海外へ行くことが多いVについた場合には、アメリカドルやユーロなどどこの国に行っても換金が楽で、相手も受け取りやすい現金を持ち歩くようにすると便利です。
現金以外の支払い方法があったとしても、ボディガードはスピードが命、支払いは確実なそして一番手っ取り早い支払い方法を選択することが好ましいと言えます。これは前述のポーターなどのサービスだけでなく、レストランでの食事の際にも同じことが言えます。
警護対象者(以下、「V」)が夕食をレストランで取っている際、同時にボディガードもVが見える席を用意してもらい食事を済ませてしまうこともあります。時たま、店内に突っ立っているボディガードを見ることがありましたが、これは目立ちすぎて良くありません。大抵のレストランは、Vにもよりますが、特にアメリカではボディガードに対してとても好意的に接してくれます。しかし、レストランは慈善事業ではありません。レストランの好意に甘えてばかりいてはいけません。ボディガードにも席を用意してもらう場合には、ボディガードも食事をし、きちんと支払いをした方が、また同じレストランに行く際にも協力してもらえます。自分の要望ばかり押し付けていると、最初はよくても、そのうち協力してもらえなくなってしまいます。
レストランで食事をする際には、アドバンスが事前にメニューを手にいれておき、調理に時間がかからないメニューをレストラン側に聞いておきます。可能であれば、アドバンスは事前にVが食事中にレストラン内での警護担当する警護官に何をオーダーするか聞き、レストラン側に伝えておけば、Vの食事がテーブルに運ばれる前に、ボディガードの食事が出てきて、どんなに食べるのが遅い人であってもVより先に食事を終えることが出来ます。食事の支払いは、出来るだけ早い段階で済ませておきます。
時間に余裕をもって支払いをするのであれば、クレジットカードでの支払いも悪くはありません。しかし、クレジットカードが使えないなど支払いで戸惑っている間に、Vが食事を済ませ店を出ると言い出したら大変です。そのため、ボディガードは、機械の故障などが原因でクレジットカード払いが出来ない可能性も考え、常に最低でも1食分の食事代を払える程度の現金は財布に入れておく必要があります。
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