眞子様と小室氏の結婚報道で、まだお二人がニューヨークシティで新婚生活を送ることが確定したわけでもないのにメディアではNYCの警備や警護が度々話題に上がるようになりました。アメリカで多少生活をしたことがある人なら分かってもらえると思いますが、困ったことにアメリカは誰がどのように頼むか、そしてそれを誰が担当するかによって全く異なる答えが返ってくる国なんです。規律の国の日本では、きちんとルールに従い通常どの従業員に尋ねても同じ答えを返してくれます。そんな日本では考えられませんが、1度却下されたことを全く同じ書類で違う担当者に渡せば許可が下りることも普通に起こりえます。そういう国ですので、本当にお二人がNYCに住むことになった際には、誰/組織が警備や警護を担当するのかとても興味があります。
因みに日本人の中には、日本の皇室にある種の幻想を持っている方がいます。しかし、日本の皇室関係者であってもアメリカではそれほど特別扱いしてもらえない場合もあります。実際、現天皇がまだ皇太子の時にニューヨークシティに訪問された際、クラウン・プリンスであるにも関わらず脅威が低いと言う理由でDiplomatic Security Serviceは警護に就かず、警護を担当したのは日本側からの依頼を受けたニューヨーク市警の警官でした。クラウン・プリンスでもこの対応なのですから、同盟国とはいえ、他国の「元」プリンセスと言う肩書だけでアメリカが特別視をするとは残念ながら考えにくいと言えます。
ただ方法がないわけではありません。十分なお金さえ払えば、すぐにニューヨーク市警が警備や警護についてくれるでしょう。実は、国連事務総長もコフィ・アナン時代までは、官邸の前のブースにニューヨーク市警の警官が常駐していました。しかし、潘基文へと代替わりの際にニューヨーク市警から、官邸前に常駐する警官への支払要請がありました。国連側はニューヨーク市警の警官が官邸前に常駐せずとも、国連本部警備隊で官邸警備を十分に担えると、費用を抑えるためにこの要請を却下したと聞いています。事務総長官邸前には、今もニューヨーク市警のブースが当時の名残で残っていますが、現在官邸警備は完全に国連警備隊のみで行っています。
NYCには総領事館がありますし、国連日本政府代表部もあるので、生活面のサポートは受けられるでしょう。また、個人的な見解としては、しばらくの間日本の警察が警備・警護を担当する可能性もあると思っています。その場合、やり方次第では特例で拳銃などの武器の携帯の許可も取れそうな気もしますが、おそらく日本政府や警察は、馬鹿正直にルールに従って丸腰で警備にあたるのでしょう。英語力も十分でなく、土地勘もなし、そして武器も携帯せずでは、一般人と変わりがありません。このような中途半端な気休め程度の警備や警護であれば、いなくても問題はないように思いますが、結局のところ、経済的に可能であればニューヨーク市警に、もしくは領事館や国連大使官邸などにつけている民間警備に警備をお願いするという結末になるような気がします。どんな形に落ち着くにしても、しばらくは元皇族の海外での警備、警護についての議論は続くことになるでしょう。
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