ボディガードのフィロソフィー(Action vs. Reaction)

これまでいろいろな警護のコンセプトやセオリーについて書いてきましたが、今回のAction vs. Reactionが原点なのではないかと思っています。

アクションとリアクションでは、誰が考えてもアクションに分があることは明確です。アクションを起こす側は、自分が起点ですからタイミングを計ることが可能です。しかし、リアクション側はいつどこでアクションが起こるか分からないため、どうしてもアクション側よりも反応に後れが生じてしまいます。

日本国内外でもプロの格闘家が一般人に殴られケガをしたことを報道するニュースを見たことがあります。格闘家は一般人に手を出せないという条件も理解していますが、殴られるのを防げなかったのは、まさにアクションがリアクションよりも断然有利であるという証明なのではないでしょうか。ボディガードも全く同じです。襲ってくることが分かっていれば、準備も出来て対処が出来るでしょう。しかし、準備もなく突然襲われたら、いくらプロのボディガードであっても簡単にやられてしまうこともあります。

このように、ボディガードが常に受け身で相手からのアクションを待つリアクション側でいるのは、自ら不利な状況を作り出すようなものです。プロのボディガードはアクション側のスタンスが取れるように努める必要があります。その最たる例がアドバンス(先着警護、先遣)です。事前に綿密な下調べをし、プランを練ることにより、襲撃者からアクションを起こす気を奪うこと、アクションを起こせる状況を生まないことがボディガードの極意です。「私は、空手○段だから襲撃者からクライアントを護れます」では、プロのボディガードとは言えません。


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