危険(物)はメール、小包、プレゼントなどだけで運び込まれるわけではありません。危険(物)は人によって直接運び込まれることもあります。そのため、クライアントの脅威レベルが高く厳戒な警備・警護体制を敷くならば、クライアントのゲストにもクライアントと会う前にセキュリティチェックを受けてもらう必要があります。空港に行ったことがある人なら、「誰かに物に預けられたりしていませんか?」と聞かれた経験があるはずです。ゲスト自身には、その気がなかったとしても危険(物)を運びこんでしまう可能性はあります。ただこれもゲストが持ってくるプレゼントの項にも書きましたが、クライアントとの関係性も考慮してやむを得ず目をつむる場合があることも知っておかなければなりません。
日本人の良いところは、「まじめ」なところですが、機械的にしか仕事が出来ない融通の効かない人間にはボディガードという仕事は難しいのです。海外でボディガードの適正について話すと度々出てくる単語があります。それは、「フレキシビリティ(Flexibility)」で、その意味は「柔軟性」です。
ゲストのセキュリティチェックをするようであれば、空港のようなゲート型金属探知と荷物の検査をするためのX線マシーンがあれば最上ですが、ない場合にはハンディの金属探知機1台くらいは準備をしておくと良いと思います。手荷物に関しては、ゲストにバッグ等を開けて中を見せてもらえば良いと思います。この際、もし手をバッグの中に突っ込む場合には、以前も書きましたが素手ではなく自身の安全の為にも必ず手袋をはめるようにします。
もしゲストに警護が付いていた場合の対応も事前に準備しておかなければなりません。警護にも拳銃を携帯したArmedと武器を携帯していないUnarmedの2種類あり、その2種の他にも政府などの要人の場合には警察官や軍などの公的機関が警護を担当している場合と、民間警備会社の警護を雇っている場合があります。Unarmedであれば、セキュリティチェックをしても良いかと思いますが、Armedの場合には通常セキュリティチェックはしません。その代わりに、入れるエリアを制限するなどの対応をします。ほかにも、これ以上先はArmed、Unarmed関係なしに警護は○人までといった人数制限をして対応する場合もあります。
ゲストの警護以外の随行者に関しては、基本的にセキュリティチェックする方向で進めて良いかと思います。
当日、現場で慌てないようにも、事前にしっかり取り決めをして、先方にもセキュリティ・ポリシーならびに到着時の対応を予め伝えておくことが重要です。先方の人数が多い場合などには、パスカードなどを用意しておくと便利です。
※コロナで今後は検査にニュースタンダードとして検温が追加される可能性もあります。
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