以前、当ブログでも一度ご紹介したことのあるCARVERですが、今回イギリスからセキュリティアセスメントの依頼を受けたクライアントが、CARVER Certifiedの資格保持者による評価を希望していたため、このたび正式にCertified CARVER Assessment Professional(CCAP)を取得いたしました。

本来CCAPは、アメリカ国内を中心に実施される2日間の対面コースへの参加が必須となっており、コース費用に加え、渡航費・宿泊費を含めるとおよそ50万円近い出費となることもあります。海外での短期開催もあるようですが、日本から参加するには現実的に難しいのが現状です。
このCCAPは、アメリカのSecurity Management International LLC(SMI)が主催しており、修了者にはSMIおよびUniversity of South FloridaからCertificationが授与されるという、非常に価値の高いプログラムです。さらに、SMIはASIS InternationalのPreferred CPE Providerにも認定されているため、CPPなどASIS資格のCPEポイントも同時に取得できるという点でも、実務者にとって魅力的なコースとなっています。

今回のクライアント案件は非常に大規模で、信頼性を示すうえでも資格取得は必須と判断しましたが、それだけの費用と時間をかける価値があるか正直悩みました。そこで、SMIに直接連絡を取り、状況を説明したところ、Managing DirectorのLuke Bencie氏と直接やり取りを行うことができました。
Bencie氏は私のこれまでのキャリアを丁寧に確認した上で、例外的に完全オンラインで完結する特別プログラムを組んでくださり、結果としてアメリカへの渡航なしに正式なCCAP認定を受けることができました。
今回のやり取りを通じて、改めて感じたのはアメリカ社会に今なお根付く「フロンティア精神」です。
制度や形式に縛られるのではなく、「どうすれば実現できるか」を一緒に模索してくれる姿勢は、非常に印象的でした。今回のCCAP取得も、その柔軟さに支えられた結果といえます。
一方で、日本の警備業界を見渡すと、近年よく耳にする「老害」という言葉を思い出さざるを得ません。すでに地位を築いた一部の人たちは、外部からの新しい視点や経験を“脅威”として扱いがちで、それが業界全体の停滞につながっているように感じます。
本来であれば、新しい知識や国際的な視点を持ち込む人材こそ、業界の発展を促す重要な存在であるはずです。
警備業は「保守的」であること自体が悪いわけではありません。
しかし、安全を守るという本質的な目的のためには、時代に合わせて変化する柔軟さも同じくらい必要です。
今回の経験を通じ、私は改めて「守る」ことと「変える」ことの両立こそが、これからのセキュリティ業界に求められる姿勢だと強く感じました。
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