― 慈善ではなく、プロフェッショナルの責任として ―
近年、SNSやメッセージアプリの普及により、専門職へのアクセスは格段に容易になりました。
警護やセキュリティの分野でも、「質問があります」「少しお聞きしたいのですが」といった軽いメッセージが届くことがあります。
しかし、その多くは本来有償で提供される知識・経験の共有に踏み込んでおり、簡単に応じられるものではありません。
FJ Protectionは慈善団体ではなく、専門的知見と経験をもとに業務・教育・技術指導を行う事業体です。
「Time is Money(時間は金なり)」という言葉があるように、専門家の時間と経験には価値があります。
他者の安全・人生・キャリアに直結する助言を行うことは、単なる親切ではなく責任ある職務行為であり、そこには当然ながら対価が伴います。
日本における「無料で得られる」という文化的背景
こうした認識のずれは、個人の意識の問題ではなく、教育・社会構造・文化の違いによるものです。
教育文化
日本では、学校教育で教科書や授業、図書館など、知識を無料で得る体験が徹底されています。
戦後の教育改革や高度経済成長期を経て、「知識は公共のもの」という意識が社会に根付きました。
欧米では、特に高等教育以降は有料が基本で、学生は教材費やサブスクリプションを通して「情報には対価が伴う」ことを自然に学びます。
ヨーロッパでも義務教育こそ無料ですが、専門書や学術データベースは有料が多く、知識は投資対象とみなされています。
インターネット文化
日本では、無料ブログ、掲示板、YouTubeなど「無料で得られる情報」に慣れきった文化が長年続いてきました。
一方、米国や欧州では、有料記事・オンライン講座・サブスク文化が早くから浸透しており、「支払う=当然」という感覚が一般的です。
ビジネス文化
日本では「無料体験」や「資料請求」文化が根強く、最初は無料で、最後にようやく支払う傾向があります。
海外では逆に、「知識=価値=対価」と明確に結びついており、無料提供はあくまで広告や導入の一部に過ぎません。
私自身、大学からアメリカで学び、長年グローバルな環境で活動してきました。その経験上、
日本では「無料で教えてもらえる」と感じることが自然である一方、
海外では「専門家の時間と知識には必ず価格がある」という意識が日常的に根付いています。

プロのサービスには価値と対価がある
専門的助言が有償であることは、警護分野だけでなく、弁護士や教育、映画などあらゆる専門職に共通します。
- 弁護士の30分無料相談は、聞き取りが中心であり解決には契約と費用が必要です。
- 映画のトレイラーも一部は無料ですが、全編を視聴するには課金が必要です。
つまり、知識や経験の共有は無料ではなく、対価が伴うのが当然です。

FJ Protectionの対応方針
FJ Protectionでは、LINEやSNS、メールなどのメッセージアプリは、業務連絡および契約・講習に基づく指導専用として運用しております。
キャリア相談や具体的な技術指導は、正式な契約・講習・有償相談の範囲でのみ承ります。
軽率に「無料で意見をもらえる」と期待しての問い合わせは、専門職の業務を理解していない行為です。
終わりに ― 礼節と信頼
情報化社会において、本当の信頼を築くのは「無料で教えてくれる人」ではなく、
「責任をもって知識・経験を提供する立場の人」です。
問い合わせや相談を行う際には、相手の専門性を尊重し、適切な場・手段で行うことが必要です。
FJ Protectionは今後も、安全と信頼を最優先に、専門職としての知識・経験の提供を継続してまいります。
公式発信をご覧いただき、必要に応じて正式な講習・相談をご利用くださいますようお願い申し上げます。
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