1996年、高校3年生だった私は、大学で犯罪学を勉強したいと真剣に考え、まず日本国内の大学を探しました。もう24年も前のことなので、うろ覚えで申し訳ないのですが、確か日本大学の社会学部にいくつか犯罪学のクラスがあるだけで、調べても調べても犯罪学を専門として勉強できる大学は見つかりませんでした。そこで日本大学で犯罪学を教える教授の学歴を調べてみると、なんと皆さんアメリカの大学を卒業されていたのです。
英語は苦手でしたが、それ以上にしっかり犯罪学を学びたいという気持ちが勝り、私はアメリカの大学へ留学することを決めました。
アメリカには、当時から犯罪学(Criminology/Criminal Justice)がしっかり学問と確立されており、社会学や心理学の下で数クラスあるのみの日本の大学とは異なり、しっかり犯罪学部が存在していました。私が卒業したインディアナ州テレホートにあるインディアナ州立大学(Indiana State University)にも犯罪学部があり、卒業生の多くはFBI, Police, Sheriff、Jail, Prisonに就職しています。
一方で日本は、今現在も私の高校生当時と状況がさほど変わっていないようです。ざっと「犯罪学」や「警備学」などで調べてみましたが、残念ながら学部として確立している大学は見つけることが出来ませんでした。
留学当初の1997年には、アメリカでも警備学はまだ存在していませんでした。しかし、2001年のアメリカ同時多発テロ後、テロと対峙するには警備のプロがもっと必要だという動きがニューヨーク市で起こり、私の母校でもあるニューヨーク市立大学ジョンジェイ大学(John Jay College of Criminal Justice, the City University of New York)を中心に警備学(Security Management)も発展しました。そしてジョンジェイ大学で警備学を学んだ卒業生の多くは、現在アメリカの警備業界で活躍をしています。国際連合ウィーン事務局の警備局のNo.2だったササン・ラヒミはジョンジェイ大学大学院での同期ですし、そのほかにもシークレットサービス、アメリカ国防省、NYPDにも同期が多くいます。
日本の警備業界は慢性的な人材不足をシニア雇用で紛らわせていると以前書きましたが、日本の警備業界の地位向上を図り有能な若者を取り込むには、警備をきちんとアカデミックなものに昇華させ、学問として確立させなければならないと思っています。
医者になるには医学部に行くように、建築家になるのには大学で建築学を学ぶように、警備業に従事したい人は、大学で警備学を学ぶようにするのです。その分野の専門家が出るようになれば、おのずと警備業の地位は向上するはずです。
弊社では警備を学問として確立していくため、大学等の教育機関にも働きかけ参りたいと思っております。警備学に関心をお持ちの教育関係者の方がいらっしゃいましたら、福谷潤までお気軽にお問い合わせください。
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