東京大学を卒業した方が年収230万円で警備の仕事をしているという記事を読みました。もちろん、幸せの基準は人それぞれ違うと思います。しかし、年収230万円だと月の手取りは色々引かれて15万円ほどで、きっと生活をしていくのにギリギリでしょう。先日、日本の警備業界の地位向上には、警備を学問として確立する必要があると書きましたが、果たして大学や大学院で警備を専門的に学んだ若者が年収230万円の職に就きたがるでしょうか。優秀な若者に警備を学びたいと思ってもらうには、稼げる職業、夢が持てる仕事にする必要もあります。
私の国連時代の給料はご想像にお任せしますが、ニュージャージー州で借りていたマンションの家賃は約20万円でした(※妻は、専業主婦で収入がありませんでした)。この家賃を払っていても、毎年2度は海外旅行に行っていましたし、乗っていた車も新車で購入し、1年で完済しました。国連事務総長の警護を担当していたといっても、階級は平職員です。平職員でこのレベルの生活が出来るのですから、管理職になったら相当もらえることは容易に想像が出来ると思います。国連本部で働いているときは、色々と不満もありましたが、今となると夢が持てる仕事だったと思います。
日本の警備業界の地位向上も、古い体質を変えることも簡単なことではありません。警備業が好きで、やる気も能力もあり、それなりに稼ぎたいと思っている人には、業界の変化を待つよりも(現在はコロナで状況が少し違いますが、コロナが終息したら)海外へ出ることをオススメします。それが一番手っ取り早いです。
日本の警備業界の底上げを目指している身としては、優秀な人材が海外に出て行ってしまうのは惜しい気もします。しかし、海外で経験を積んだ人材が日本に戻ってくるようになれば、日本の警備業界にとってもプラスになるはずです。
日本人が海外で警備業に就くために求められるのは、英語力だけではありません。その国の人ではなく、ビザのサポートなども必要となる日本人が選ばれるためには、他の候補者にはない専門知識や経験が求められます。逆に言えば、スペシャリストという付加価値さえあれば、多少英語力に難があったとしても、十分採用される可能性があるということです。
海外へ撃って出る際の武器を得るためにも、なんとなく警備業に従事するのではなく、スペシャリストになることを目指し、スペシャリストから学んで下さい。
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