先日紹介したガスマスク関連して、アメリカでLEや警備業従事者の多くが基礎教育の一環として学ぶWMDについて紹介します。WMDは、Weapon of Mass Destructionの略語で、日本語だと大量破壊兵器のことです。大量破壊兵器は:
(1) Nuclear Weapons[核兵器]
(2) Biological Weapons [生物兵器]
(3) Chemical Weapons[化学兵器]
(4) Radiological Weapons[放射能兵器]
の4種に分類され、その頭文字を取りNBCR兵器と呼ばれます。 ボディガードに専門家レベルの知識は求められませんが、最低限の知識は身に着けて置く必要があります。
基礎知識なしにいきなり専門的なクラスを取るのは難しいですし、色々不安もあると思います。そういった方は、まずはオンラインで「WMD Training」などのキーワードで検索してみてください。
私自身も、基礎知識を学ぶために、Emergency Operations Training Academy (EOTA)という市民向けに色々な危機管理関連のオンラインクラスを提供している団体で「WMD Response Training」や「Principals of Radiation」といったWMD関連の基礎コースを取りました。EOTAは、WMD以外にも警備業従事者にとって基礎知識を学ぶのに役に立つコースが多くオススメなのですが、残念ながらアメリカ国外からではアクセスが出来ないようです。しかし、EOTA以外にもWMD関連が知識が無料で学ぶことが出来るサイトは沢山あります。
国連でも、日本人女性初の国連事務次長に就かれた中満泉氏が長を務めるUnited Nations Office of Disarmament Affairs(UNODA)でも、名前やEmailを登録するだけで誰でも無料でWMDのコースを受けることが出来、コース終了後には証書ももらうことが出来ます。
日本にもNBCR対策推進機構という団体があり、こちらは有料になりますが「消防員等や医療従事者のためのCBRNEテロ・災害と現場の対応担当者養成者講習」という資格コースを提供しているようです。
NBCR対策推進機構が、テロや災害のファーストレスポンダーとなりうる可能性が高い警備員を対象としていない点から考察するに、日本では欧米と違い警備員にそこまでの知識を求めていない傾向にあるように思います。しかし、これは大きな間違いです。以前、日本の警備業界の地位向上には、アカデミック面からのアプローチが重要だと書きましたが、知識は武器です。最終的に専門的なことは消防や医療従事者に託すのであっても、ファーストレスポンダーとして、ブリッジの役目を果たせるようWMD、NBCRの知識を自ら進んで学ぶことは、自分の身を守るためにも、これから警備業界の地位向上のためにも非常に重要や役目があると私は考えています。
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