日本では警備員を始める際、警備業法で未経験の新人の場合には20時間の新任教育を受けることが義務づけられています。ニューヨーク州も似ていて、警察官以外で警備業に携わる際にはライセンスを取ることがビジネス法で定められています。(※国連本部は、ニューヨーク市にありますが、大使館などと同じ治外法権でニューヨーク州の法律で縛られることはありません。そのため、国連本部で警備や警護をする場合、ニューヨーク州のセキュリティガード・ライセンスは必要ありません)。
ニューヨーク州でセキュリティガード・ライセンスを取るためには、8時間のクラスと16時間のOn Job Training (OJT) コースを取る必要があります。(※拳銃を携帯するセキュリティガードの場合には、さらに47時間の射撃訓練が追加されます)。
日本でも警備員は毎年、現任教育を受ける必要がありますが、ニューヨーク州も同じでライセンスを維持するのには毎年8時間のインサービス・トレーニングを受ける必要があります(※ライセンスの更新は2年ごとです)。
私も含め、日本人には「ライセンス」や「免許」という言葉に弱い人が多いような気がします。これまでも何度か書きましたが、名前やブランドに騙されてはいけません。「ニューヨーク州公認セキュリティガード」や「ニューヨーク州セキュリティガード・ライセンス保持」なんて言えば聞こえは良いです。きっと、それだけで惹かれる人もいるかもしれません。しかし、私がプロフィールにあえて、このライセンスのことを記載していないのには理由があります。
私は2005年にブルックリンのフラットブッシュ地区にあった小さなセキュリティトレーニングスクール「Gold Security Training School」で8時間の基礎コースと16時間のOJTを修了し、無事にライセンスを取得しました。随分前のことなので、細かい内容は覚えておりませんが、今でも鮮明に覚えていることがあります。それは、24時間の訓練で学んだことが1つもないことです。たまたま私が選んだスクールが良くなかっただけなのかもしれません、しかし事実として生徒に知識を与えることよりも、効率的に稼ぐことだけに焦点を置いたトレーニングスクールが存在していて、そんなスクールにお金さえ払えば何も学んでいなくともライセンスが取れてしまうのです。8時間のコースも16時間のコースも、その時間すらきちんと満たしておらず、実際にはもっと短時間でライセンスを取ることが出来ました。
海外では、ライセンスを与えることは保険なんです。何か事故や事件が起きても、州はきちんと訓練を与えたのだから、全て本人の責任ですと言い逃れが出来ます。つまり海外のライセンスの場合、持っているだけでは、その人の知識や経験が測れません。日本では、ちょっと考えられないですが、事実です。
履歴書のデコレーションの為と割り切っているのであれば良いですが、将来、海外を視野に入れている方は、名前やブランドに騙されず、海外の訓練やライセンスを取る際には良く吟味してから取るようしてください。
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