同市内、もしくは同国内でもアドバンス・エージェントが一度チームのもとへ戻り打ち合わせが出来るのであれば、それ以上のことはありません。
しかし、国外のアドバンスの場合には、予算的にも時間的にも打ち合わせの為だけに一度チームのもとに戻ることは現実的ではありません。
コロナによりリモートワークが多くなったことで、リモート会議が普通になった今なら国外のアドバンスであっても、現地からZoomやTeamsなどを使いリアルタイムで打ち合わせをすることも可能です。しかし、これはあくまでアドバンス先のネット環境が整備された国や地域ということが前提です。国外の場合には、それ以外に時差も考慮しないとなりません。
日本でも田舎の山の中などに入れば携帯電話が使えない地域もありはしますが、そういった地域であっても車で少し走り町に出れば携帯電話も使えますし、インターネットだって問題なく使用出来ます。そんな恵まれた国、日本で生活をしているとなかなか想像するのは難しいと思いますが、世界に目を向けてみると日本のようにどこへ行っても快適な仕事環境を見つけられる国ばかりではありません。
シークレット・サービスによるスキャンダルで有名になったコロンビアのカルタヘナは、スペイン植民地時代の様々な歴史的建造物、カルタヘナの港、要塞が世界遺産に登録されていることもあり国内きっての人気観光地です。私も2012年にカルタヘナにアドバンスに行ったことがあるのですが、カルタヘナのホテルは、観光地らしくおしゃれなところが多いのですが、電力が安定していないようで、夜になるとよく停電になっていました。当時のカルタヘナは、ネット環境もアメリカや日本と比べるとかなり遅く、写真を数枚添付したメールがなかなか送れなかったのを今でも覚えています。
アドバンス・レポートのフォーマットは、所属先の決まりもあると思います。ここから先は、あくまで私が色々な国や地域でのアドバンスを経験してことで得た持論ですので、ご自身の所属先の決まりを破らない範囲で使える部分のみを参考にしてもらえたら幸いです。
パワーポイントは、リアルタイムでチームメイトを目の前にしてプレゼンをする場合にはとても有効的です。しかし、時差やネット環境の関係でアドバンス・レポートをメールで送るとなるとパワーポイントは容量が大きく送るのが大変ですし、受け取った側もファイルを開くのに時間がかかってしまうので、あまりオススメ出来ません。もちろん、PDF化すると多少軽くなるので、所属先の決まりでアドバンス・レポートはパワーポイントを利用しないといけない場合には、出来るだけ容量を小さくしてからメールに添付するようにしましょう。
前職でこんなことがありました。初めての海外アドバンスだった警護チームの新人Pが、チームメイトに認めてもらいたいという一心でパワーポイントをフル活用して、とにかく見た目重視のアドバンス・レポートを制作したのです。クライアントは、Pがアドバンスをしている国に行く前にいくつか他の国に寄ることになっていました。クライアントに同行していた私は、Pのアドバンス・レポートをケニアのダダーブ滞在中に受け取りました。たださえ最悪なネット環境なところに、PDF化すらしていない大容量のパワーポイントのファイルを送られても開けません。Pには、どうにか容量を小さくして再送するようにと伝えました。その後、拡張子を変更するなどして軽量化したファイルの添付されたメールが届きましたが、私やチームがPのレポートを現地に到着するまでに読むことは出来ませんでした。後で確認したところ、不必要な情報、写真や飾りが多く、インターネット環境の整っていない出張先で開くには重すぎたのです。どんなに素晴らしいレポートであっても、事前に読めなければ全く意味がありません。
アドバンス・レポートに恰好良いデザインは一切必要がありません!容量が大きくなりがちなパワーポイントは避け、必要な情報のみをまとめたシンプルなレポートをワードで作成、そしてPDF化したものを送るのが私はベストだと思っています。
文章をズラズラと書いて説明するより写真を1枚添付したほうが分かりやすいのは事実です。アドバンス先が日本、チームがいるのがニューヨークというような両者ネット環境に問題がない場合は、文章をズラズラ書くより写真を効果的に使い、短文の説明を付け加えるだけで十分な場合もあります。しかし、写真はレポートの容量を大きくしてしまうので、最小限に抑えなければならない場合もあります。アドバンス・レポートのフォーマットを決める際は、自分と相手のインターネット環境を十分に理解することが重要です。
急なスケジュール変更や追加によるラストミニッツのアドバンスの場合には、ワードでレポートを作成、そしてPDF化するという余裕はありません。メールに直接、厳選に厳選した内容だけをシンプルにズバッと短文で書いて送ります。アドバンス・レポートはとにかくチームが現地に着く前に読めてこそ意味があるものだからです。
所属先に決まりがあればそれに従わなければなりませんが、ある程度の自由が許されているのならチーム内でどのようなレポートがオペレーションに最適なのか話し合うことも必要かと思います。
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