ACADEMIという名前は聞いたことがない人も、ブラックウォーターといえば聞いたことがあるのではないでしょうか?元米国海軍ネイビーシールズ隊員、エリック・プリンス氏がノースカロライナ州モヨックに創設したプライベート・ミリタリー・カンパニー (PMC)です。2007年にバグダッドでブラックウォーターの傭員が民間人に対して発砲し、死亡させてしまった事件が明るみになりブラックウォーターへの風当たりが強くなった為に社名を変更(ブラックウォーターUSA→ブラックウォーターワールドワイド→Xe→ACADEMI) しました。
施設にある建物には、Black Waterの名とロゴの跡が今も残っているので、そこがブラックウォーターだったことはすぐに分かります。
ACADEMIの訓練施設は、敷地面積がなんと約7000エーカー(東京ドーム約608個分)もあり全米でも最大規模の訓練施設です。施設内には、射撃場、街路を再現したエリア、色々な運転技術を学ぶことが出来る特別なドライビングコースまであり、指導員曰くACADEMIの施設では出来ない訓練を探す方が難しいいうことでした。ドライビングコースの1部エリアを除いては、施設の写真や動画を撮影をすることは出来ません。言葉だけでは、どうしてもACADEMIの施設の充実度は表現しきれないので、写真や動画でお見せしたかったのでとても残念です。
ちなみにこちらの施設は、民間人でも訓練を受けることが可能なのですが、いくつかルールがあるようです。訓練の申し込みをする際にパスポートのコピーの提示を求めれたのですが、どういう理由か定かではありませんが、イスラエル人のチームメイトには訓練の許可が下りませんでした。ACADEMIに限らず、アメリカの民間人も受け入れている訓練施設であれば日本国籍で問題になることはほぼないので、そこは心配する必要ないかと思います。
ACADEMIの訓練で一番楽しく、勉強になったのはドライビング・トレーニングでした。特別コースには、たとえコースアウトしてしまってもまわりにショックを吸収するタイヤがたくさん埋められているので、車の限界を身をもって試すことが出来ます。例えば、90度の直角コーナーを曲がり切れるスピードに挑戦してみたりすることは、さすがにニューヨークやニュージャージーでは出来ません。
中でもドライバーの瞬発的な判断力を高める訓練は、とても新鮮で今でも鮮明に覚えています。将来、どこか田舎に大きな土地が確保できれば、ACADEMIで教わった訓練を私も日本の警護を目指す若者に指導したいと思っています。そんな夢もあるので、全てをここでお教えすることは出きませんが、1つだけどんなことをしたかを書きます。生徒は運転席に座り目隠しをされた状態で約70キロのスピードで車を走らせます。ハンドルは、助手席に座る指導員が操作するため、生徒はどこに向かって走っているのか全く分かりません。そして突然目隠しを取られ、ハンドルを任されます。目の前には、壁だったり、人の模型だったり、その時、その時でシチュエーションは変えられ、生徒は咄嗟にハンドルを切り危険を回避します。
ACADEMIでは射撃の訓練も受けましたが、指導員の腕前には感心したものの、訓練自体は特に驚きのあるものではありませんでした。しかし、これはACADEMIに問題があったわけではありません。一緒に訓練を受けたグループ内で射撃の技量にかなりバラつきがあった為、どうしても技量が劣る者に基準を合わせるより仕方がなかったからです。当然、上級者は、物足りなく感じてしまったのです。希望者を募り、訓練を受ける際にはチームの技量を平均的にするとより良い訓練を受けることが可能になります
ノースカロライナ州の田舎町にあるACADEMIは、日本からだと行くだけでもかなり大変ですが、それだけの価値があると思います。
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