The Institute for Economic & Peace (IEP)のGlobal Terrorism Index 2020 (GTI)によると、テロリズムによる死者数は2014年から増え続けており、2019年のテロリズムによる死者数は13,826人となっています。しかしながら、GTIのランクも79位と低く、国内でのテロがほぼ起きない日本では、世界のテロリスト・グループへの関心があまり高くありません。
海外での活動も視野に入れているボディガードは、専門家ほどの知識は必要ありませんがセキュリティのプロとして、ある程度の知識は有しておく必要があります。
日本では、公安調査庁が世界のテロ組織などの概要と動向をまとめ、サイトでリストを公開しています。もしテロ組織にあまり知識がないという方は、同サイトにリストされているテロ組織の情報を読むことから始めると良いでしょう。日本人として、まず気になるのが日本を拠点としているテロ組織でしょう。同サイトとよると、日本を拠点にするテロ組織はオウム真理教(後継団体「アレフ」、「山田らの集団」、「ひかりの輪」)と日本赤軍の2組織となっています。幸い、どちらの組織も最近は主だった活動はありません。
海外のボディガードは、他国に赴く場合その国の情勢を必ず調べますし、その際に当然テロのことも調べます。日本国内で起きたテロで最初に思い浮かぶのは地下鉄サリン事件です。1995年に起きたオウム真理教によるこの国内最大のテロ事件は、それまで世界でも有数の安全な国として有名だった日本で起きたこともあり、海外でも大きく報道されました。自身が海外に行きボディガードをすることがなくとも、海外からくるVIPの日本国内の警護サポートをすることになれば、そのVIPに同行してくるボディガードにオウム真理教を始め、国内のテロについて聞かれることもあるかもしれません。そういった際、日本人なのに何も知らなかったら恥をかくことになりますし、信用を失いかねません。
2013年にケニアのナイロビで起きたウエストゲートショッピングモール襲撃事件後、ナイロビに出張に行ったときは、私が聞くまでもなく先方からすぐに同事件の実行組織とされるソマリアのアル・シャバ―ブのケニアでの活動について説明がありました。受け入れる側だけでなく、出向く側も事前のリサーチをせずに行き、「アル・シャバ―ブ?ショッピングモール襲撃?」なんてことになったら、大恥をかくことになるので注意が必要です。
世界中のテロ組織を全て覚えるとなると大変でしょうが、出張先の国、その近隣国に関係あるテロ組織はもちろんのこと、他にもBoko Haram(ボコ・ハラム)、Al Shabaab(アル・シャバ―ブ)、Al-Nusra Front(ヌスラ戦線)、Al-Qaeda(アルカイダ), LET(レシュカレ・タイバ)、 TTP(パキスタン・タリバン運動)、Liberation Tiger of Tamil Eelam(タミル・イーラム解放の虎)、Hizballa(ヒスボラ)、ISIL(イスラム国)など世界的に名の通ったテロ組織については押さえておいたほうが良いでしょう。
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