公式カメラマン

政治家は、支持を得るために自身の活動を世間に認知させる必要があります。そのため、公式カメラマンを行く先々に同行させている政治家は少なくありません。ボディガードの任務は、クライアントの身の安全を護るのと同時に、クライアントのイメージも守る必要があります。本当に危険な地域や場面では、カメラマンのことまで考える必要はありませんし、イメージばかりを気にしてクライアントの身の安全が護れなかったから本末転倒です。しかし、警護の人数的にもリスク的にも余裕がある場合には、先着時に公式カメラマンがクライアントの写真を撮れるアングルを確保しておくことは警護の面でもプラスになります。というのも囲み取材などでは、身元の分からないメディアも多くクライアントのすぐ近くまで寄ってカメラを向ける場合もあります。その際、ベストポジションには身元が分かっている公式カメラマンを配置することで、注意を払わなければならないエリアを絞ることが出来ます。以前、警護を担当したクライアントの中に、背が曲がっているので横からの写真を撮らせたくないという人がいました。こうした希望があるクライアントの場合には、撮られたくない角度からは写真が撮れないような場所選びをするため、注意するエリアは更に限定されます。

他にもボディガード同様にカメラマンたちも同業者に知り合いが多いので、公式カメラマンには事前に見知らぬ者でカメラマンらしくない行動する者を見つけた場合には合図するように伝えておきます。日頃から彼らの仕事を理解し便宜を図っておくことで公式カメラマンもボディガードの仕事を理解し、協力的になってくれるのです。公式カメラマンだけなく、クライアントの随員とも日頃からコミュニケーションを取るよう心掛け、信頼関係を築いておけば、身元の分からない人に取られたくポジションなどを随員で埋めることも可能になります。言い方はあまり良くありませんが、使える駒は最大限に活かすのがボディガードです。

またこれは余談になりますが、公式カメラマンや顔なじみのカメラマンと日頃からプロフェッショナルな付き合いを確立していると、メディア媒体で使用される前の、クロップなどの編集がされていない引きで撮った写真などを貰うことも出来たりします。そうした写真には、メディア媒体では編集で切られている警護人も映っていることが多いのです。私が当サイトで使用している現役時代の写真の多くは、公式カメラマンや顔なじみのカメラマンから好意でもらった写真です。

(画像上)2015年にワシントンDCで開催されたGlobal Citizen Earth Dayの舞台裏

こうしたことからも分かるようにボディガードには、高いコミュニケーション能力が求められます。ボディガードを生業にしようと考えている人は、日頃から色々な物に興味を持ち、性別、人種、年齢を問わずに色々な人と会話をすることを楽しむことが重要です。


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