ホテル・サーベイ(4)

部屋と出入口の他にもアドバンスが事前に調査をすることは沢山あります。ホテルの施設はクライアントが使用するかに関係なく全て確認しておくようにします。

レストランは、急遽使うことになる可能性が高いので、場所、営業時間はしっかり頭に入れておくようにします。メニュー表などを入手しておくとクライアントにレストランのことを聞かれた際に参考に見せることも出来ます。

レストランの次に予定なしに急にクライアントが使う可能性が高いのが、フィットネスジムプールです。こちらもしっかり場所と使用できる時間帯を頭に入れておく必要があります。もともとジムやプールを使用する可能性が高いクライアントの場合には、ボディガードもジムやプールにいても違和感がない服装の準備をしておくことも忘れてはいけません。私は、一度これで大きな失敗をしたことがあります。ナイジェリアのアブジャに出張に行った際、クライアントのスケジュールを確認したところ朝から晩まで会議がびっしり詰まっていたので、プールが好きな人なのは知っていたのですが、さすがにこのスケジュールでプールにはいかないだろうと思い、適当な服装を用意していませんでした。ところがこの警護対象者は、短い休み時間を見つけてプールに行くと言い出したのです。一人で行かすわけにはいかなかったので、仕方なくダークスーツのまま屋外プールについていきました。なるべく目立たない場所でクライアントの警護をしていたのですが、暑いナイジェリアの炎天下の中、ダークスーツでプールを眺めるアジア人、かなり不審者ですよね。それほど長い時間ではありませんでしたが、泳いでもいないのにスーツは汗でぐっしょり濡れていました。

クライアントがホテル内で部屋の外のトイレを使う可能性は低いかもしれませんが、ホテル内のどこにトイレがあるか確認しておくべきです。これはトイレには、タイルなど硬い壁が使われていることが多くセーフヘイブンとして使用が出来るためです。移動中に襲撃をされた際、一時的にクライアントをかくまう場所としてトイレの場所を把握していれば迷うことなく駆け込むことが出来ます。

クライアントの性格や行動をよく理解することでホテルでも何を特にチェックしておくか分かるようになります。何度も言いますが、ボディガードに決まった答えはないので、ボディガード(1)~(4)を参考にクライアントにあったホテル・サーベイを完成させてほしいです。


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