ボディガードをしている、目指していると言うと、度々以下の質問をされます。
「時に身を挺してクライアントの命を護る必要がある仕事ですが、あなたは本当にクライアントを護る為に己の命をかけられますか」
答えは「はい!」なはずです。その覚悟がなければボディガードになることを諦め、もっと安全な仕事を選ぶべきです。
もちろん、命に勝る仕事はありません。今ボディガードをしている人たちも、たまたま生きていくために必要なお金を稼ぐ術がボディガードという仕事だったというだけです。どんなに高い給料をもらっても、殺されてしまっては何のために働いていたのか分からなくなってしまいます。だからこそ覚悟と同時にクライアントの命、そして己の命、チームメイトの命を護る術をしっかり学ぶことも大切なのです。
このように書くと、とても危険を伴う仕事のように思われてしまいますが、ボディガードは他の仕事と比較して特別危険な仕事というわけではありません。厚生労働省が発表した「平成31年/令和元年労働災害発生状況の分析等」の業種別死亡災害発生状況によると建設業が最も多く、平成31年/令和元年の死亡者は269名となっています。
アメリカのBureau of Labor Statistics(BLS)が発表した「National Census of Fatal Occupational Injuries in 2019」によると職業別死亡災害発生状況で最も死亡者数が多い職業は、Transportation and material moving occupation(運輸業)で1301名、次に多かったのがConstruction and extraction Occupations(建設業)で924名でした。従事者の数が異なる為、単純に比較することは出来ませんが、銃社会のため死亡者数が多いと思われがちなアメリカの警察でも、実はそこまででもなく2019年に死亡した警察官の数は102名で運輸業や建設業と比べるとさほど多くありません。警備業に関してはランクにも入っていませんでした。
つまり0とは言い切れないので、万が一の際に自ら盾になる覚悟や心構えは必要ですが、興味や意欲があるのに、危険やリスクを懸念して諦める必要はないということです。ただ世界的に見て比較的安全な日本であっても、実際に現場に出る前にしっかりとした訓練をしない警備会社は気をつけた方が良いと思います。
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