突然ですが、免許取り立ての初心者マークの運転手に運転を教えてもらいたいという方はいないと思います。しかし、警護業界に目を向けると、日本でもアメリカでも「○○で訓練を受けました」「○○から指導を受けました」だけで警護を指導しているところが結構あるようです。これは、運転免許に置き換えて考えてもらえれば分かると思いますが、かなり怖いことです。
運転免許を取っても実際に運転をしなければ、次第に運転をすることが怖くなり、結果ペーパードライバーとなってしまいます。警護も全く同じです。どんなに素晴らしい訓練を受けても、実際に使ってみなければその技術が本当に使えるものなのかも分かりませんし、次第に錆びつきます。訓練を修了したら終わりではなく、訓練を終了した日からがスタートです。
皆さんもご存じだと思いますが、日本の運転免許には、グリーン、ブルー、ゴールドの3種類あります。新規運転者がグリーン、一般運転者、違反運転者、初回運転者がブルー、そして5年間無事故、無違反が条件の優良運転者がゴールドとなっています。警護には、このような区分はありませんが、とても似ていると思います。著者の経験上、実際に警護業務に携わって3年ほどはまだまだ初心者で日々新たな学びがあります。英語に、FNGという言葉(スラング)があります。これはFxxking New Guyの略なんですが、意味は「新入り」や「(軍隊等で)研修を終えたばかりの隊員」となりますが、最初の数年はまさにFNGです。 FNGの間は、重要な任務を1人でこなすことはほぼないので、ミスを恐れずにどんどん色々なことに挑戦して技術、そして知識を伸ばす期間とも言えます。そして3年が過ぎるとようやく余裕も出て来て、突発的な事例にも慌てず臨機応変な対応が可能になります。そして、このころになると少しづつ重要な任務も任されるようになり、同時に新人にも技術指導をするようになってきます。そして免許でいうゴールド免許の5年間、大きなミスもなく勤め上げることが出来ると、チーム内や警護対象者からの信頼を確立でき、ようやくチームの指揮を執るチームリーダーのポジションも務めることが可能になります。
著者の個人的な意見と希望ですが、警護の技術指導をするのなら最低でも5年程度の実務経験を積み、ゴールド免許を所持する必要があると思いますし、訓練を修了しグリーン免許を取得した方には、そこで満足せずにその上のブルー、そしてゴールドを目指して欲しいと思っています。
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