ボディガード・最適な体重の見つけ方

敏捷性」と同時に重戦車のようにドシリと構え、簡単には倒れない、押し込まれない肉体がボディガードには求められます。それには、「ボディガードにおける物理の法則」で書いたとおり、自身のフレームにあった絶妙な体重を見つけることが重要です。同じ身長だからといって、最適な体重が一緒だとは限りません。

そこでボディガードの仕事に適した体重を見つける方法を紹介したいと思います。それは国連本部警備隊で警護官として働くために必要な基本的な基礎体力を持ち合わせているかをチェックするために実施されているテストです。

このテストは、出来るだけ実際に警護の任務にあたる際の服装や装備で行うことが重要です。 余裕がある人は、追加で10キロのプレートキャリアを着た状態で挑戦することを奨励します。以前紹介したAPFTをこなしてから、こちらのテストをするとより効果的です。以下がテストの内容となります。

(写真)プレートキャリア
  1. バーピー×10
  2. 400mダッシュ
  3. 80キロの人型ダミーを25m引きずる

以上の3種目を最低でも3分以内に完了させます (※タイムはバーピー開始と同時にスタートして3種目目のダミープルまで止めません)

体全体の瞬発力敏捷性を知るには、バーピーが最適です。スピードも重要ですが、むしろ体幹を意識した正しいフォームで行うことが重要です。スピードを気にするあまり誤ったフォームでバーピーを続けると腕や肩を痛める原因になったり、腰椎捻挫のリスクになったりします。国連本部警備隊では、教官が横で1回ずつしっかりチェックしており、間違ったフォームでしたバーピーは回数に数えてもらえませんでした。

APFT

ボディガードには、それなりのエンデュランス(持久力)が求められますが、1キロ以上を走って避難することはそう多くありません。そこで「究極の無酸素運動」と言われる400m走がボディガード資質をテストするには最も適した距離となります。因みに2021年6月15日現在、400mの世界記録は南アフリカのウェイド・バン・ニーケルク選手がリオデジャネイロ・オリンピック(2016)の決勝で出した43秒03です。高校生男子の400m走の平均は55秒ほどです。重い装備を付けた状態で走ることを考慮しても、1分30秒以内には完走できるようにします。

バーピーと400mダッシュに関しては、体重が軽い方が圧倒的に有利です。しかし、最後の種目である80キロの人型ダミーを引きずる行為は、自分の体重をうまく利用すれば、バーピーやランで疲れた手足の筋肉にそれほど頼らなくても驚くほど簡単にできます。つまり、こちらの種目に関しては体重がある程度あった方が有利ということです。

このように3分間の簡単なテストですが、ボディガードに必要な最低限の身体能力をチェックすることが出来ます。この3種を3分以内に終了させることが出来ない人は、現段階でボディガードをするのは少々厳しいかもしれません。その場合は、3種の中で何が苦手で、一番時間がかかったかを調べて、筋トレなどでボディガードに適した身体を作る必要があります。3種を3分以内で終了できた人は、更に時間を短縮するためには何が必要なのかを考えて、筋トレ等で体重を調整していくことで自分に最も適した体重が分かるようになります。

ボディガードに興味がある方は、ぜひ1度挑戦してみてください。


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