海外の資格⑩ Continuing Education / 28 hours Private Investigator Course

実は国連本部警備隊に入職するまでは、Private Investigator (PI, 探偵)になりたいと思っていました。実際、大学院を卒業したのちの就職活動をしていた際は、求人が出ているかに関係なく全米の探偵事務所に願書を送りつけていました。そのうち数社は面接まで進みましたが、結局外国人ということで就労ビザのサポートがネックとなり、内定をもらうまでにはいたりませんでした。その後、無事に国連本部警備隊への入職が決まったこともあり、PIへの熱は一時的に冷めました。

(写真上)ロンドンのベーカーストリート駅にあるシャーロック・ホームズ像と私

国連本部では、全職員に対してContinuing Education成人向け教育、社会人教育)を推奨しています。それもあり言語であれば、職員は国連の6つの公用語(英語、フランス語、中国語、アラビア語、スペイン語、ロシア語)を無料で習うことが出来ます。言語以外のコースを学びたい場合には、自分で学校を探すことになります。アメリカでは、社会人になってからもキャリアアップのために新しいことを学ぼうという人が多いこともあり、どこの大学でも充実したContinuing Educationが用意されています。私自身、国連本部に勤めて2年程経った頃、だいぶ仕事にも慣れてきたのでどこかでContinuing Educationを取ろうと、NYCやニュージャージーの大学や短大のContinuing Educationのプログラムを調べました。そして母校John Jay College of Criminal JusticeのContinuing EducationのプログラムにPIのコースがあることを見つけました。もうこの時には、以前のようなPIになりたいという気持ちはありませんでしたが、PIの調査テクニックや知識は、将来的に警備や警護にも活かせるのではないかと思い受講を決めました。

探偵というと日本では、その大半が浮気調査だと聞いたことがありますが、アメリカのPIは、もちろん専門によって異なりますが雇用に関する調査であるPre-Employment ScreeningやBackground Checkが多い傾向にあるようです。そのため、私が受講したPIのコースでは、大半の時間が裁判所で取得出来る公的な情報を初めその他いろいろな情報の収集のテクニックに費やされました。このコースで習った情報収集の技術や知識は、のちに警護でThreat Assessmentのための情報収集の際にかなり役立つこととなります。また、素行調査の方法も習いましたが、こちらの技術や知識は、フォーカスする部分が違うだけで基本的には同じなので、警護のサーベイランス/カウンターサベイランスをする際にかなり役立ちました。

このように一見、あまりつながりがない仕事からも学ぶことは少なくありません。これまでも何度も書いていますが、プロのボディガードは、どんなクライアントであっても対応が出来るように、知識や技術はいくら持っていても困りません。

調べてみると、アメリカほど盛んではないようですが、日本にも生涯学習社会人講座といった名前で誰でも受講できるクラスを設けている大学が結構あるので、興味がある人は調べてみると良いと思います。今は他にも、CourseraJMOOCなどで世界中の大学のコースがオンラインで受講可能なので、これを使わない手はありません。


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